子どものための腸活LIFE │ 小さな怪獣を健康にする麹調味料のこと

近年、発酵食品がブームとなり『塩こうじ』『醤油こうじ』『甘酒』などの発酵調味料をご自宅で活用されている方も多いのではないでしょうか。しかし、小さいお子さんがいるご家庭ではそれらを使うことに不安をもっているのも事実です。

 

本コラムでは発酵調味料がお子さんにとってどんなメリットがあるのか、お子さんのための発酵調味料の使い方についてご紹介していきます。

 

 

 

3歳までの腸環境で今後の健康が決まる

人の腸内フローラは3歳ごろまでにベースがつくられます。

この頃までにつくられた腸内細菌が、生涯にわたる健康状態、病気にのなりやすさ、病気になった時の体の反応などの基本パターンが決定することになります。

 

発酵調味料を子どもの頃からはじめるメリット

腸内環境を整える

腸内の善玉菌が多いと、身体の免疫機能が高まります。逆に、悪玉菌が多い場合は、肥満やがんなどの病気に関連することが分かっています。

 

発酵調味料には発酵菌が含まれており、腸内の善玉菌を直接増やす役割があります。

 


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便秘をなおす、予防する

驚くことに、小学生の3人に1人は便秘に対するケアが必要であることが調査で分かっています。

便秘は腸内細菌のバランスを悪くしますし、腸内細菌のバランスが悪いと便秘にもなりやすいという負の悪循環に陥りやすくなります。




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慢性便秘診療ガイドラインでは、「慢性便秘患者においてプロバイオティクス(=善玉菌)は排便回数の増加に有効であり、治療法として用いることを提案する」と述べています。

つまり、善玉菌を含む発酵調味料は子どもの便秘改善の方法として一躍担うのです。

 

 

風邪がひきにくくなる

ひとの免疫細胞の約70%は腸内に存在しています。つまり、腸は身体のなかでも最も重要な免疫機能を担っている器官です。

そのため、免疫力を高めるためには、腸内環境を整えるのがポイントなのです。

 

繰り返しになりますが、発酵調味料は善玉菌が豊富に含まれているため、腸内を善玉菌が優位な状態を保ち、腸内環境を整えて免疫力をアップする効果が期待できるのです。

 

 

頭がよくなる可能性がある

良質な睡眠に欠かせない睡眠ホルモンの『メラトニン』のもととなる『セロトニン』は、90%近くが腸でつくられています。セロトニンは腸のぜん動運動に関与し、腸内細菌のバランスを安定させます。

 

そのため、良質な睡眠を得るためには腸内環境が非常に大切だということです。

 

睡眠不足は、昼間の眠気を誘発し、勉強への集中力を減らすとされています。

お子さんに対して発酵調味料で腸内環境を整えることで、良質な睡眠が得られ勉強への集中力が増すことが期待されます。

 

 

 

子どもへの発酵調味料の使い方

発酵調味料は、離乳食中期の7~8カ月から使うことが出来ます。

どのように発酵調味料を使うのか、そのポイントをご紹介します。

 

お肉に発酵調味料をつけこむ

お肉などのたんぱく質は消化に時間がかかります。しかし、発酵調味料と組み合わせることで、お肉が柔らかくなり、そして消化がしやすい物質へと分解されます。

そのため、大人と比べるとまだ未熟な子どもの消化器官を助けてくれます。

 

スープの味付けに活用する

スープの味付けに発酵調味料を活用すると、味に深みがでますし、素材本来の味も引き立ちます。

 

特に、玉ねぎこうじは『コンソメ』や『鶏がら』などの代用として使用されることが多く、市販の化学調味料や添加物を気にされる方には代用品として優秀です。


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既存の調味料の置き換えをする

既存の調味料を発酵調味料に置き換えるだけで、いままで作っていたレシピで腸活ごはんが完成します。

また、塩と比べると塩こうじの塩分量は1/5にもなるので、塩こうじを使用すると旨味が増すだけでなく、減塩効果も得られるのです。

 

 

わが子に実践して分かった注意点

消化機能は4歳ころに、糖質の消化酵素が大人並みになりますが、大人とほぼ同じ消化機能に育つのは8歳ころと言われています。

 

つまり、8歳ころまでは大人と比べると消化機能がまだ未熟であるため、発酵調味料を少量から始めることをおすすめします。

 

生後7~8カ月ころから発酵調味料は使用できますが、始めたての時は特に便の回数・形状に注意しながら行ってください。

 

 

わたしとわが子の体験談

わが子に発酵調味料を実施したのは1歳の頃です。

この時期には食事よりも母乳の量が多くなっていました。そのため、便の回数も多く、形状も緩いのが特徴でした。

1歳8カ月のころに断乳を行い、栄養はすべて食事からに切り替わり、便の回数も少なくなり、形状もまとまっていきました。

発酵調味料も継続して行っていたのですが、少しずつ量を増やしていくと、便の形状が緩くなる時期がありました。その都度、便の様子を細かく確認をして発酵調味料の調整をおこないました。

 

 

調味料の計量よりも体調や味で判断する

現在は発酵調味料に関してのさまざまなレシピが増えています。既存の調味料との置き換えの量なども細かく説明してくれていますが、わたしはそれらを参考程度にみるようにしています。

わたしもわが子も生身の人間ですから、一人ひとり発酵食品に対しての反応が異なります。特に、わたしの夫はSIBO(小腸内細菌増殖症)の症状をもつため、発酵食品に対する反応が極度にでることもあります。

そのため、レシピに記載されている発酵調味料の計量を正確に行うよりも、家族の状況にあわせて量を調整しながら使用しています。

 

発酵調味料をはじめてつかう方などは、もちろんレシピを参考にしてくださって良いと思いますが、慣れてきたら自分と家族の身体の状態を確認しながら、使ってみるのもいいのかもしれません。